【要約・書評】『「人生が充実する」時間のつかい方』

皆さんこんにちは。レゾナンスリーディング渡邊康弘です。
本日ご紹介の一冊は、UCLAのキャシー・ホームズ教授が描く
『「人生が充実する」時間のつかい方』という一冊です。

正直ですね。私の中でも時間術本かなり読んできたんですけど、これはですね、非常にオススメできるなという一冊です。

時間術本、手帳術というとこれまで、いろいろとでてきていて、結局のところ、「ワクワク」や「やりたいこと」を実現する、習慣化して達成するというのが軸ですね。
ただ多くのこれまで書かれた本は、科学的というよりかは、誰かの人生の経験本が多く、実際に「再現性」があるかというと正直あやしいものが多かったです。

しかし、本書はそうしたことを払拭してくれる、リファレンスにあふれている本で、なるほど、こういう流れでよかったんだとあらためて思うことができる一冊になっています。

日々の日常の中で、「あれもこれもやりたい」ってありますよね。
ワクワクリストや、やりたいことリストを書けば書くほど、できない自分にでくわしてしまう。現代は、忙しいということが、「人の価値」を表す、ステータスシンボルみたいなところがあるから、忙しくしているというのも大事なんですけど、どうしてもやりたいこと、やらなければいけないことをこなせていない、「時間貧乏」になった自分にでくわすわけです。

もちろん、時間って難しくて、時間がたんまりとあれば「生産性」を感じず充実度が下がってしまう。忙しすぎたら「時間貧乏」になってしまう。

大事な時間というのは、一体どういう時間かというと、
・子どもと朝、添い寝をする15分であったり、
・自分の大切な同僚と電話で。 職場から家まで着く時間をおしゃべりする20分
・大切なパートナーとワインを片手にディナーを味わう時間。

こうした時間ですね。そうしたらですね。ちょっとした60分とか、90分ぐらいの時間。
こうした時間をとれていると、幸福度が高まり、人生にも満足度が得られるというのです。

このキャシー・ホームズ教授もバリバリのキャリアを大学内で歩まれてきたみたいなのですが、やはり研究を進めているうちに、ペンシルバニア大学から、UCLAへ移って、人生の充実度、幸福度が得られやすい生活がとれる道を選んだみたいなんですね。

そして、この本で書かれている「コース」をつくり学生に教えている。

このコースは、イェール大学のローリー・サントスが行っている「心理学と幸せな人生」というものだったり、スタンフォード大学のデザインスクールですね。ビル・バーネット、デイヴ・エヴァンス教授が行っている「人生デザイン講座」からヒントを得て、「幸福の人生デザインへの応用」というコースを作っているそうです。

このコースを通じて、MBAの学生たちが仕事とプライベートそれぞれの生活をいかすれば、最適化できるか、学んでいるそうなんです。

この本は、効率的な時間の使い方と、理想的な一週間のデザイン方法について説明しています。時間の選び方、その順序、感覚による並べ方という要素に焦点を当てています。私自身が読む中で、特に新しい情報は見当たらなかったものの、これまで学んできたことが科学的に実証されていることを確認できました。

手帳講座や時間術講座で教えてきた内容が、実際に科学的根拠をもとに語られていることに感謝しています。本書は、まず自分のための時間を作る重要性を強調し、その後、他人のための時間の作り方、さらには幸福度を感じるための時間の過ごし方を提案しています。私自身も、神社仏閣の訪問や美術館での滞在、仲間や受講生との時間は、かけがえのないものであり、そのような時間を増やすことが幸福感を高める一因と感じています。

では、どのようにして幸せな時間を過ごすのか。本書によれば、幸福感は大部分が時間の使い方に左右されるとされています。特に時間の記録が重要であることが強調されており、これはドラッカー先生も指摘している点と一致します。エグゼクティブ経営者として、自分の時間を記録し、整理し、まとめることの重要性は、この本でも共有されています。

時間の記録は非常に重要で、特に30分単位での記録を推奨しています。この記録の際、自分が過ごした時間に対しての幸福度、満足度、達成感を十段階の評価で行います。私自身は一時期、五段階評価を使用していましたが、この本では十段階評価がより有効であるとされています。

心理学者のマーティ・セリグマンや行動経済学者のダニエル・カーネマンのような研究者も同様の調査を実施しています。時間の記録を取ることで、自分が最も幸せを感じる瞬間や活動、また逆に幸せを感じない活動を特定することができます。

自分の時間の使い方を意識し、それを感じることは大切です。例えば、誰かと一緒に過ごす時間や外出する時間は、多くの人々にとって幸せな時間となります。気分を左右する要因として、睡眠時間も非常に重要です。睡眠時間の質や量も気分に大きく影響していることがわかりました。

楽しい活動と、それほど好きでない活動を組み合わせることで、全体としての時間の質を向上させる方法も提案されています。人は繰り返し同じことを体験するとその感覚に慣れてしまうため、新しい経験を追求することも幸福感を高めるカギとなります。

人生を月単位で考え、その期間を可視化する方法が提案されています。具体的には、各月を丸で表現し、それを数えることで、残りの人生を意識するというものです。

また、日常の習慣を特別な儀式のように捉えたり、時には新しいことに挑戦することの大切さが強調されています。その他のアドバイスとしては、現在の瞬間を充実させ、週末を特別なチャンスとして捉えること、そして瞑想を実践することが挙げられています。特に、五感を利用した瞑想方法が提案されており、それは視覚、触覚、聴覚、嗅覚、味覚を順に活用するものです。

さらに、集中力を高めるためのテクニックとして、物理的・精神的な空間を整理する方法が提案されています。これには、不要なものを排除してシンプルな空間を作る、予定を空けて自分だけの時間を確保する、耳栓やヘッドホンを使用する、メールや携帯電話を一時的に閉じるなどのアプローチが含まれています。

最後に、自分の内省の時間を設け、何が自分にとって真に重要かを再確認することの大切さが強調されています。

第八章の内容は、ページ226から始まり、「タイムcrafting」というテーマで書かれています。これは従来の手帳術に似ており、以下のような手法が提案されています:

固定の時間:日常のルーチンやタスクの時間を先に設定します。
喜びの時間:固定の時間を設けた後、自分が楽しむ時間を作りましょう。これには、人との繋がりを大切にしたり、電話を避ける時間を作ったり、良いことに集中する時間などが含まれます。
時間的余裕:1週間の中で、何も予定を入れない余白の時間を持つことを推奨しています。
タイルの並べ替え:時間を再調整して、最適な1週間を設計しましょう。
特に印象的だったのは、40代や50代になると、ワクワクするよりも穏やかな時間を重視するという考え方でした。オンラインサロンでも、この考え方に共感する人が増えているようです。

この内容はキャシーホームさんがUCLAアンダーソン経営大学院で教えているもので、この本を通じて多くのことを学べると感じました。強くおすすめの一冊です。

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